2015年12月18日(金)東京大学駒場キャンパス18号館ホールにて、高校生のための金曜講座が開講され、私たちEstudiantina Komabaは講義内でベネズエラ音楽の実演をしました。この講座は東京大学教養学部と東京大学生産技術研究所が共催で開講しているものであり、2002年4月に始まりました。参加者は高校生が中心ではありますが、下は中学から上は80代まで幅広い年齢層の方が参加しています。毎回非常に人気のある講座であり、この日は130人以上もの方が参加されました。

onda nueva “De repente”より。
onda nueva “De repente”より。

今回の演奏会のテーマは『来たれ、次世代のcompañeros! 〜真冬のトロピカル・キャロル〜』でした。このテーマには、主に高校生が対象であるということで、将来同じステージに立つcompañero/raが生まれるかもしれないという期待と、gaitaやaguinaldoといったジャンルの曲が演奏されるベネズエラのクリスマスシーズンの情景への思慕の念が込められています。

今回の演奏会では、幅広いジャンルが存在するベネズエラ音楽から、代表的な平原音楽joropoに含まれるpasajeやjoropo recioをはじめとして、都市音楽でベネズエラ風ワルツのvals、アルデマロ・ロメロによって提唱されたベネズエラ・ジャズのonda nueva、5拍子のダンス音楽であるmerengue、年末シーズンに演奏されるgaitaやaguinaldo、カーニバル音楽のcalipso、コーヒールンバが有名なベネズエラ風サルサのorquideaからそれぞれ1曲ずつ解説・演奏されました。聴きなれないメロディーやリズムの音楽の解説を熱心に聞き入り、メモをとる参加者の姿も見られたのが印象的でした。

aguinaldo ”tun tun”より。
aguinaldo ”tun tun”より。
クリスマスのパランダで襲撃を受ける男性の物語を石橋純教授が歌い上げる。
クリスマスのパランダで襲撃を受ける男性の物語を石橋純教授が歌い上げる。

ベネズエラを代表するジャンルと言ってもいいjoropoについては、どのようなリズムで進行しているのかについての説明、および参加者が2拍子と3拍子の2つのグループに分かれて実際にリズムをとってみる、というホローポレクチャーがなされました。慣れないリズムにはじめは戸惑っていた様子でしたが、直後に演奏したQuirpaというjoropo recioの曲では3拍子のリズムで手拍子が起こるなど、早くもベネズエラのリズムを感じ取れているようでした。

全ての曲の演奏が終わった後は参加者からの質問の時間が設けられ、ベネズエラの珍しい楽器について聞かれるなど、活発な質疑応答がなされました。講義が終わった後に教授が出てくるのを待って個別に質問をしている人もいて、参加者の関心の高さを感じました。この講座での演奏での熱心な参加者の方々の姿を見て刺激を受け、自分もより深くベネズエラ音楽について知りたいという気持ちが強くなりました。

(文責:K.K.)

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