BBCのスペイン語版に掲載されました!
BBCのスペイン語版の社会面に掲載されました!
Los japoneses locos por la música llanera de Venezuela - BBC Mundo
日本語の翻訳です。
ベネズエラ音楽に熱中する日本人たち
アブラン・サモラーノ
BBC Worl、カラカス
2012年5月31日(木)
「私は荒ぶる大河アラウカの岸辺の生まれ」------ベネズエラ人なずとも、多くのラテンアメリカ人が、ベネズエラ民謡「平原の魂」の出だしの文句を知っていてることだろう。だが、驚いたことに、この歌に情熱をかきたてられた、日本人の一団がいるのだ。
東京大学教員・石橋純が率いる学生楽団、エストゥディアンティーナ駒場の面々だ。彼らこそは、「平原の魂」の持ち主にちがいない。
「日本にはパラグアイ・アルパの演奏人口が1000人、ボリビアのチャランゴは数千人、さらにブラジルのサンバのプレイヤーは数万人いると言われています。だったらベネズエラ音楽を実演する人がいてもべつに驚くことはないでしょう」楽団を主宰する石橋はBBCにこう語った。
この学生楽団は、2009年、東京大学の一年生と二年生を対象履修生とするゼミナール「ラテンアメリカ音楽演奏入門」の成果発表コンサートとともに、誕生した。
「エストゥディアンティーナ駒場は、この授業の修了生のうち、一年中ベネズエラ音楽を演奏し続けたい学生たちが構成します。」石橋は説明する。
「大部分は、それまでに「コーヒールンバ」くらいしかベネズエラ音楽を聞いたことのないの学生たちです。なかには、東大で催されるベネズエラ人音楽家のレクチャーコンサートに刺激されてゼミに応募する学生もいますが」。
現在の活動メンバーは多様な学部に所属する約20名程度。そのうち約10人が楽団に深くコミットしているという。「将来の医師、弁護士、建築家、経済学士、人類学者、教育者、外交官、化学者、エンジニア、数学者などがいます」
ヘミングウェイもまた
いったい日本の大学にどうやってベネズエラ音楽の楽団が生まれたのだろうか? そこで重要なのがほかならぬ石橋の存在である。彼は1987年から96年までカラカスに住み、日本企業の駐在員としてマーケティングの仕事に従事していたのだ。石橋はベネズエラに惚れ込むことになった。ベネズエラ民衆文化研究を志し、35歳にして会社を辞めた石橋の人生航路180度転換することになる。
「ラテンアメリカ文化に関する私の興味は、子供のころから家庭でタンゴ、ボレロ、マンボなどを聴いてきた経験にはじまります。思春期にはアーネスト・ヘミングウェイの小説を読んでスペイン語圏の文化にますますのめりこむようになりました」
だが「在東京ベネズエラ大使館の文化担当官であり卓越したクアトロ奏者であるモリス・レイナ氏の熱意があってはじめて日本におけるベネズエラ音楽普及の新境地を拓くことができた」と石橋は語る。
その目的のために、前述のゼミナールを開設し、演奏の教授をはじめ、ついにはエストゥディアンティーナ駒場を創立するに至ったのである。
「日本でベネズエラの伝統的民衆音楽専門の楽団を維持し、創立4年目にして2時間のコンサートにも堪えうる30曲以上のレパートリーを用意できるということは、それじたいで大成功といえます。一握りの物好きの熱意だけでは達成しえないでしょう。」
荒野で布教?
現在のところ、エストゥディアンティーナ駒場の成功はほぼ大学を舞台に展開しているといってよい。東京大学のキャンパスで演奏会を開き、そこには主として大学生教職員ならびに関係者が聴衆として参加する。だが、ときには彼らは教室の外で演奏することもある。市民団体からの依頼や、ベネズエラ大使館関連のイベントに出演する形で、すでに47都道府県中7道府県を訪演している(目標は全国踏破だという)。
ベネズエラからの来日アーティストがあるときには、彼らを招いてワークショップを受講する。直近では、ベネズエラの国民楽器クアトロの巨匠であるチェオ・ウルタードを迎える予定である。
志は実を結びつつあるようだ。jomocovi名義でアップされるyoutube動画のうち、一番人気の「平原の魂」は、すでに56000回再生を超えている。これは「日本のアマチュア楽団としてはとてつもない数」だという。
「私たちの活動は砂漠の中の一粒の砂のようなものかもしれませんが、開拓者であることにはむしろ意欲をかきたてられます」と石橋は言う。「我々の夢は5年以内にベネズエラを訪演することなのです」。

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