新潟国際情報大学レクチャー・コンサート報告

2015年3月14日、新潟国際情報大学と新潟日報社が連携して開講した講座、異文化塾「スペイン語圏から見た世界」の全5回のうちの最終回として、EstudiantinaKomaba(EK)主宰教員である東京大学准教授石橋純が「ラテンアメリカの民衆文化と音楽」と銘打って授業を行い、EKのメンバーがベネズエラの音楽を実演しました。これまでの講義では、東京大学教養学部の竹村文彦先生がドン・キホーテ、東京大学総合文化博士課程・日本学術振興会特別研究員の新津厚子先生がメキシコ系アメリカ人のアートと政治、新潟国際情報大学の佐々木寛先生が植民地化と脱植民地化について、フラメンコ舞踊研究所の橋本ルシア先生がフラメンコを扱いました。

 

この講座は、一般に開放していることもあり、受講者は大部分が50歳以上の方々で、女性のほうがやや多めという感じでした。また、当然ながらベネズエラ音楽に触れるのは初めての方がほとんどであり、曲の合間に聴衆参加型の「ホローポ」講座を挟みつつ進行していきます。「ホローポ」とはベネズエラ音楽では王道のリズムの形式で、2拍子と3拍子が複合しているのが特徴です。会場を2つに分け、片方の方々には2拍子を、もう片方の方々には3拍子を手拍子してもらい、「ホローポ」のリズムを体験してもらいました。今回のレクチャー・コンサートでは、「ホローポ」の曲はちょうどこの日から始まるお祭りの曲「Fiesta en Elorza」(エロルサの祭り)と、「Quirpa」(キルパ)を演奏しました。

他にも、ベネズエラ音楽の中では日本で最も知られている「Moliendo Café」(コーヒー・ルンバ)、モダンな「バルス」(ベネズエラ風ワルツ)の「Media luna andina」(アンデスの三日月)、こちらもベネズエラ音楽にはかかせない5拍子のリズム「メレンゲ」の曲「Oro negro」(黒い金)、もとは16世紀のスペイン音楽に由来すると言われる「Guárdame las vacas~Polo」(牛を見張れ~ポロ)、そして最後にはEKの定番通り、お祭り音楽「カリプソ」の「Guayana es」(グアヤナ・エス)で締め、全7曲を披露しました。

授業には異文化塾の受講者100人が集まり、授業の終わりにはホローポの型について質問する人も出るなど、大盛況で新潟国際情報大学レクチャー・コンサートは幕を閉じました。

 

今回は私にとって初の地方での演奏であり、ハープをツアーに持っていくのも初めてということで運搬などの様々な面でわからないことが多く、不安は尽きませんでした。たとえば、ハープはバスに乗らないためバス移動の他のメンバーとは別に前日に新幹線で新潟に来たり、ホテルから会場までは普通のサイズのタクシーでは入らないのでジャンボタクシーを呼ぶなど、様々な工夫が必要でした。実際、今回はハープやギター、クアトロなどで計5曲参加しましたが、私自身に関しては演奏面でもまだまだ未熟だと感じています。しかし、得たものも多く、演奏を聞いていただいた方々に「良かったよ」と言われるのがとても嬉しく、このツアーに参加して良かったと思いました。それとともに、音楽へのモチベーションも高まったように感じます。

最後にコーディネータの佐々木寛先生、事務局の永田幸男さん、高井英希さん、新潟国際情報大学OGであり、石橋ゼミ院生・EKメンバーでもある新津厚子さん、様々なお気遣い本当にありがとうございました。

新潟ツアー 観光レポ「新潟くいだおれの一日」

3月13日早朝、夜行バスで新潟駅に到着し、私たちはレンタカーで「新潟市中央卸売市場」に向かった。お腹をすかせた私たちはすぐさま市場中央の食堂に入り、刺身定食とかま焼き定食を待つこと数分。テーブルには新鮮な食材を用いた料理がところ狭しと並べられ、脂ののった旬の魚をお腹いっぱい楽しむことができた。

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いちど新潟駅に戻り、続いて訪れたのは駅ビル内の「越後長岡 小嶋屋」。お目当ては新潟名物のへぎそばだ。へぎそばとはそば粉のつなぎに布海苔(ふのり)という海藻を使用したそばで、つなぎに小麦粉を使用している普通のそばよりつるっとした食感を楽しめる。

次に、私たちは新潟市の中心部を離れて南部の西蒲区に位置する「カーブドッチワイナリー」へと車を走らせた。周辺に温泉や宿泊施設を備え、ワイナリーリゾートとして人気のこのワイナリーで私たちはワインの試飲を楽しんだ。隣接するもう一つのワイナリー「フォルミエ」にも足を延ばし、店員さんとワイン談義に花を咲かせたりオレンジ屋根の可愛い建物をバックに写真撮影をしたりと、思い思いに楽しい時間を過ごした。

 

さらに南下して向かったのは、『万葉集』に歌われているほどの歴史を持つ「弥彦神社」だ。杉や欅に囲まれて神秘的な雰囲気のある参道を抜けると、「アメノカゴヤマノミコト」を祀った拝殿が姿を現す。私たちが訪れる数日前から新潟では雪が降っていたため、雪で白く飾られた美しい拝殿に参拝することができた。

 

新潟市内に戻り、今回の観光のメインスポットともいうべき「今代司酒造株式会社」の酒蔵見学へ。明治時代中期に酒造りを本格的に始めたこの酒蔵では、歴史を感じさせる蔵の中を丁寧に説明してもらいながら見て回ることができる。最後の試飲コーナーで蔵人さんたちが丹精込めて造った酒を味わい、各々気に入った酒を購入した。

 

そして、この日の最終目的地「さい三郎」にて夕食を楽しんだ後、私たちは宿で翌日のレクチャーコンサートに備えるため新潟の夜の街をあとにした(二次会で新潟の夜を思いっきり満喫したものもいたが)。

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