2017年7月8日(土)、ワールドツアー中のコロンビア人グループ「シマロン Cimarrón」を招き、都内スタジオでワークショップを行いました。彼らが演奏するのは、ベネズエラとコロンビアに広がる平原地帯ジャノの代表的音楽である、ホローポです。私たちは伝統的なスタイルでホローポを演奏していますが、シマロンは、より現代的なアレンジで演奏します。
 課題曲として選んだのは彼らの代名詞「キタペサーレス Quitapesares」、私たちとの共通レパートリー「スンバ・ケ・スンバ Zumba que zumba」の2曲です。ここでは、伴奏陣の息をピッタリと合わせることの重要性という根幹にかかわる部分の教えを賜り、曲のイントロやアウトロなどの細かい部分の指導まで受けることができました。彼らのリーダーであるカルロス・ロハスが、曲を始める際の掛け声の心構えについて熱く語る姿は特に印象的でした。

シマロンのリーダー、カルロス・ロハス

 また、シマロンは伝統的なホローポのダンスステップを発展させ、パーカッションの一つとして披露するグループです。そんな彼らからホローポの基本ステップを教わりました。私たちは平素よりステップを行っている訳ではなく、このことでダンス音楽ホローポの大事なピースが補われた気がしました。また、日を改めてパランダも行われ、ワークショップで学んだ成果を活かしてシマロンのメンバーと踊るなど、楽しいひと時が流れました。

シマロンのメンバーとともに

 コロンビア・ベネズエラ・日本という垣根を越えたホローポの文化交流を楽しんだ私たちですが、普段目指しているホローポとの違いを感じる瞬間もありました。その場でのアレンジを大事にし、難しい部分をさも簡単そうに演奏するという路線を指向する私たちにとって、予め考えておいたキメを、キメている感満載で演奏するというシマロンのあり方は、ある意味新鮮なものでした。また、そこには彼らなりの信念があり、ホローポやジャノへの誇りを感じるものでもありました。彼らから受け取った最大のものは、国という枠組みを越えたホローポの魂なのではないかと思います。
 シマロンの日本公演を主催して下さった小巖仰さんをはじめハーモニーフィールズのみなさんに感謝の意を表し、この原稿の結びといたします。

〈ワークショップに参加していただいたシマロンのメンバーの皆様(敬称略)〉
カルロス・ロハス Carlos Rojas: アルパ、リーダー
アナ・ベイド Ana Veydó: 歌手ダンス
オリベル・オイカタ Oliver Oicatá: クアトロ
デイネル・オイカタ Deyner Oicatá: バンドーラ
ウィレイネル・ロドリゲス Wileiner Rodríguez: パーカッション(カホン)
カルロス・セデーニョ Carlos Cedeño: ベース
ハロルド・ノボア Harold Novoa: パーカッション

(文:山本卓登)

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