2018年10月31日(水)、ベネズエラ出身のフルート奏者であるオマール・アコスタと、アルゼンチン出身のギタリスト、セルヒオ・メネンを迎え、東京大学駒場キャンパスにてワークショップを実施しました。2つのバンドがオマール先生の自作曲を事前に練習し、先生方から直接指導を受けました。
初めに、「Lilly」の演奏を行いました。およそ1時間の指導の中で、技術面の指導だけではなくアレンジの提案などを受けました。最後には先生方と一緒に演奏し、テンポの緩急の付け方や音の強弱などが変わり、ワークショップ前とは見違えるほど素晴らしい演奏ができるようになりました。「Lilly」のバンドは11月3日に行われた「ラテン・フルートの大洋(うなばら) オマール・アコスタ トーク&ミニライブ」で前座として出演しました。シンプルながらとても美しい演奏を披露し、200人を超える来場者が聞きほれていました。
次に、「Vals de Lucía」の演奏を行いました。私はフルート奏者として強弱の表現やアーティキュレーションをつける際のタンギングの仕方について質問しました。オマール先生の的確な回答で、音楽的な理由からテンポや強弱の変化を大きくつけるところを把握できました。自由なタンギングを心がけるように指導を受け、今までよりも表現豊かな演奏が可能になりました。技術面では、ピッチが下がりやすい中音域のE音において母音を発音するようにして吹くことで音を保つコツのアドバイスなどを受けました。フルートだけではなく、クアトロのコードの押さえ方の指導なども行われ、バンド全体が上達しました。
私はワークショップの2日後に成蹊大学で行われた「オマール・アコスタ・デュオ フルートが奏でるラテンの調べ」で「Vals de Lucía」の演奏を聴きました。即興的に音を紡ぎながら、完璧に息の合った演奏を見せるオマール先生とセルヒオ先生の姿にとても感動しました。ワークショップを受けた上で聞く素晴らしい生演奏は今までとは違って聞こえ、心に残る思い出となりました。
約2時間のワークショップの最後には、オマール先生とセルヒオ先生による特別演奏が行われました。ワークショップで扱った曲に加え、CD未収録の「Flor de la canela(邦題:ニッキの花)」など数曲が演奏されました。
また、ワークショップ当日はオマール先生の誕生日だったため、ベネズエラの伝統に従って誕生日のボレロ「Ay qué noche tan preciosa」とスペイン語版ハッピーバースデーを歌ってお祝いしました。誕生日サプライズのおかげもあり、とても和やかな雰囲気でワークショップを終えることができました。
オマール・アコスタ先生、セルヒオ・メネン先生、ご指導ありがとうございました。
今回のワークショップで指導を受けた2曲は、12月23日(日)に行われる「第3回定期演奏会」で演奏する予定です。ぜひお越しください。
《ワークショップ参加者》
オマール・アコスタ フルート
セルヒオ・メネン ギター
石橋純 通訳
可児和希 クアトロ
韓智仁 マンドリン
鈴木亮 クアトロ
高田あゆみ ベース
濱祐輝 フルート
日山美沙 フルート
越後望実 イベントプロデュース
平居香子
牧野翔
山本卓登
(文:濱祐輝)