西南学院中学校 レクチャー・コンサート

 2015年9月2日、私たちは西南学院中学校が主催する文化講演会にて「南米ベネズエラの音楽と文化」と題してレクチャー・コンサートを行いました。

 あいにくの雨だったこの日、福岡市内に位置する西南学院中学校のチャペルは生徒さんと先生方のおよそ600名でいっぱいになりました。大観衆を前にして、メンバー10名の間には緊張感が漂う中でコンサートが始まりました。司会を主宰教員の石橋が行い、西南学院中高出身のメンバーである立花もマイクをとって「今日は私たちの音楽を楽しんで帰ってください」とご挨拶しました。

 第一部は日本でも有名なベネズエラ音楽の「コーヒールンバ(Moliendo café)」でスタートしました。その後、ベネズエラの国民舞踊といわれるホローポというジャンルから「エロルサの祭り(Fiesta en Elorza)」、「キルパ(Quirpa)」を演奏しました。続いてベネズエラ風ワルツの「アンデスの三日月(Media luna andina)」、ボサノヴァにも似たオンダヌエバから「突然に(De repente)」、5拍子を特徴とするメレンゲから「北はキメラ(El norte es una quimera)」、16世紀にスペインで流行した楽曲と、それによく似たベネズエラ民謡の「牛を見張れ~ポロ(Guárdame las vacas ~ Polo)」を披露しました。そして、興味をお持ちの生徒さん方に打楽器をお配りし、コンサートは第二部に突入します。ここでは会場のみなさんにもコーラスに加わっていただいて、カーニバルの音楽であるカリプソの「グアヤナ・エス(Guayana es)」を演奏しました。スペイン語という慣れない言語でのコーラスに始めは戸惑っていた生徒さんもいらっしゃいましたが、回数を重ねるごとに会場はカリプソのノリに包まれていきました。

 今回は楽団創立以来初めて中学生向けに公演するということで、スペイン語の歌や馴染みのないリズムは果たして楽しんでもらえるだろうかと少し不安を抱えながら本番を迎えました。しかし、そんな心配をよそに一生懸命聴いてくださっているみなさんを舞台上から見て、私自身も演奏を楽しむことができました。

 今回のレクチャー・コンサートにあたっては、中根広秋校長先生や招聘窓口を務めてくださった遠竹史教先生をはじめ西南学院中学校のたくさんの方のご尽力を頂きました。この場をお借りして御礼を申し上げます。

(文責:N.N.)

ティエンポ レクチャー・コンサート

福岡ツアーも終盤の2015年9月4日の夜、私達は随一の繁華街・天神地区のオシャレな裏通りに立地するラテン文化センター「ティエンポ」にてレクチャー・コンサートを行いました。コンサート会場の「TIEMPO HALL」は様々なイベントが行えるようにデザインされたスペースで、ステージの上手側はテーブルと椅子が用意されたダイニングスペース、下手側はスタンディングスペースとなっています。このTIEMPO HALLは、ラテンアメリカから福岡を訪問する一流アーティストがライブを行う場所として名が知れており、私達は不安と期待を胸にコンサートの準備を進めました。

 コンサートが始まると、定員60名ほどの会場には33名の来客がありました。午前中に博多の伝統ある祭り「山笠」について学び、博多のノリを存分に味わった私達のコンディションは最高でした。コンサートは「コーヒールンバ(Moliendo café)」でスタートし、ベネズエラ音楽についてのレクチャーを交えながら「エロルサの祭り(Fiesta en Elorza)」、「カルナバル(Carnaval)」、「アンデスの三日月(Media luna andina)」、「突然に(De repente)」、「北はキメラ(El norte es una quimera)」、「牛を見張れ~ポロ(Guárdame las vacas ~ Polo)」とバラエティ豊かな曲を演奏しました。最後の曲「グアヤナ・エス(Guayana es)」では、ステージから降りてお客さんにマラカス等の楽器をお配りして演奏に参加していただいたり、コーラスに加わっていただいたりと、ノリノリのカーニバルの音楽を会場全体が一体となって楽しみました。

 私達の演奏は成功裏に終了しましたが、このイベントには続きがあるのです。ティエンポでのコンサートは、博多工業高校音楽部(以下、HKK)との対バン形式でコンサートを競演しました。HKKはモダンキューバンサルサを中心とするラテン音楽をレパートリーとするバンドで、高校の部活でありながらも大人顔負けのクオリティの演奏を魅せてくれました。私達は自分たちの演奏を終えた後、お酒を楽しみながらHKKのパフォーマンスを心ゆくまで楽しみました。HKKの演奏の最後には私達もステージに上がり込み、私達の定番レパートリーである「コーヒールンバ(Moliendo café)」をサプライズ的に共演し、最高の盛り上がりでイベントはフィナーレを迎えました。

 ティエンポでのイベント開催にあたっては、主催者のサンディアゴ・エレーラさん、井戸久夫さん・兼平祐大さんを始めとしたティエンポのみなさま、博多工業高校音楽部顧問の洲暁先生ならびに同部のメンバーのみなさまに大変なお力添えを賜りましたこと、心より感謝いたします。

(文責:S.A.)

食レポート 福岡を味わって

2015年夏の福岡ツアーでは、公演日を縫うように観光もした。行く先々で味わった、福岡のご当地メニューをここにご紹介する。

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初日、福岡に入り、翌日の演奏の準備を終える頃には、私たちはすっかりお腹を空かせていた。そんな私たちの食欲を満たしたのが、食堂の「英々」での夕食である。
まずは豚足をおつまみにビールで乾杯。噛めば音がするほどパリッパリの皮、箸を入れればふわっふわの脂身。豚足の美味しさに、私は感動した。

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豚足を食べ終えると、各々のご飯が運ばれてきた。鶏や豚とキャベツの炒め物の定食、焼きラーメンに、博多名物・とんこつラーメン。「がっつり」食べて、私たちは翌日へのエネルギーをしかと貯めた。

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2日目の夕食は、地魚料理で名高い「眞」でとった。この日の公演が無事に終わった私たちにとって、運ばれてきた料理は、まさにご褒美だった。まずお通しの酢もつが美味しい。ポン酢をかけたコリコリのもつを口にした時、こうした料理で呑める博多っ子が羨ましくなった。しかし、豊富な海鮮料理の中で、最も印象に残ったのはごまサバだ。酢で締めなくても食べられるサバ。新鮮だからこそ楽しめるサバ本来の弾力感。口に広がるごまの甘さ。至福の一品だった。

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なおも私たちの食欲は衰えず、夕食の後はそれぞれ博多の街へ繰り出した。私は他3人と宿の方面へ向かった。宿のすぐ近くに“うどんちょいのみ”なる店があり、そこが気になっていたのだ。
初め私には、うどんと酒という組み合わせに違和感があった。だが、福岡のうどんは締めの料理として最適だった。福岡のうどんを初めて食べた人は「風邪をひいたとき、お母さんが作ってくれたうどんだ」と懐かしげに評する。その位にゆるいうどんは、たらふく食べたお腹にももたれることなく収まる。明るく甘いつゆも温かく身体に染み込んでいく。4人して快くうとうととしてきた頃、私たちは数軒先の宿に戻った。

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3日目は、丸々1日観光の日だった。門司港を訪れた際は、昼食に名物・焼きカレーを頂いた。焼きカレーは、余ったカレーをもう一度美味しく食べようと焼いたのが起源という。下味をつけないそのままのご飯を使う点で、バターライスなどを用いるカレードリアと異なる。あつあつのカレーは、スパイスも手伝って香ばしかった。

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夕食は博多に戻ってから、「長野」で鶏の水炊きを食べた。これは地鶏・華味鶏の鍋で、スープと具の鶏を贅沢にも別々に使っている。だからこそ、具を具としてつゆに付けて頂けるのはもちろん、スープをスープとしてそれだけでも十分に堪能できる。鶏の滋養をたっぷりと得て、私たちは翌日の最終公演に備えた。

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4日目は、ラテン文化センター「ティエンポ」での最終公演だった。「ティエンポ」理事長サンティアゴ・エレーラさんのお招きで、その打ち上げは同センターのレストラン「サンチョ・パンサ」で開かれた。まるでメキシコで食べているようなワカモレ、本場バレンシア同様少しだけ硬めに炊いてあるパエリヤ。イベロアメリカを代表する料理が次々と登場する。「ティエンポ」で活動されている皆さんがどれだけ本物の味を日本に伝えようとしているか、その気概が伝わってくる美味しさだった。

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(文責:M.O.)