2016年8月29日、「セシリア・トッドと仲間たちトーク&ミニライブ」が東京大学教養学部教養学科ラテンアメリカコースの主催、駒場友の会の協賛、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド実行委員会の後援のもと、東京大学駒場キャンパス18号館ホールにて開かれました。ベネズエラの大歌手セシリア・トッドが、名手たちと共に演奏を混じえながら、ベネズエラ音楽の深い魅力を紹介しました。当日は台風が東京を直撃したにも関わらず、広く年代の境を超えて80人を超える多くの方に足を運んでいただきました。

ベネズエラの音楽文化を観衆に語るセシリア・トッド(写真中央右)と通訳・司会の石橋・純教授(写真中央左)
ベネズエラの音楽文化を観衆に語るセシリア・トッド(写真中央右)と通訳・司会の石橋・純教授(写真中央左)

 セシリア・トッドは平原地方の荒々しさから都市の優美さまで、多様なベネズエラのこころを半世紀近くも歌い続けてきた南米民衆歌謡の大御所です。今回はバックミュージシャンとして、ベネズエラ屈指の名手たち、ヘスス・”チュイート”・レンへル (マンドリン・バンドーラ)、ウィルメル・アルバレス (ギター)、ウィリー・マジョ (パーカッション) 、エドウィン・アレジャノ(ベース)を引き連れ、美しい音色を駒場に響かせてくれました。
 今回セシリア・トッドは日本最大のワールドミュージックフェスティバル「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」出演のため来日しました。富山県南砺市でのステージの後、渋谷WWWでのライブ出演の為東京を訪れました。これまでセシリア・トッドの演奏から多くを学んできた当楽団にとって彼女の来日、駒場でのイベント開催は念願でした。そして、セシリア・トッド自身も今回の来日の折に是非と望んだことから、このイベントが実現に至りました。
 私たちエストゥディアンティーナ駒場は当イベントの制作を全面的に担当しました。前座演奏は当楽団のメンバーが担当し、富山県のスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド楽屋でのワークショップにて直接教えていただいた「恋の酸っぱいしずく」(”Acidito”)を演奏しました。本学の石橋純教授が司会、通訳を務め、セシリア・トッドがベネズエラ音楽で使われる楽器からそのリズムに至るまで、日本の観客にその魅力を語り、奥深いベネズエラ音楽の世界に優しく誘いました。そして、アンコール演奏では、私たちも壇上に飛び込みで、「エル・ベナオ」(”El Venao”)を合唱する機会を得ました。私たちが頻繁に利用させていただいている18号館ホールは巨匠たちの演奏によって、まったく別の質を持った豊かな空間になっていました。その壇上に上がらせていただき、同じ音楽を奏でているという緊張と感動は忘れがたいものでした。
 最後に、今回巨匠たちの東京での滞在を私たちの有志でアテンドさせていただいたということを付記したいと思います。本場の巨匠と学生楽団という境を超えて、私たちの間には心の交流がありました。La amistad dura para siempre. 友情よ、いつまでも。

セシリア・トッド一行と当楽団の仲間たち
セシリア・トッド一行と当楽団の仲間たち

文責・寺島一樹

曲目一覧
1. フロール・デ・マジョ(Flor de mayo)
2. ガバン(Gabán)
3. 緑の小鳥(Pajarillo verde)
4. 恨み節(Maldición)
5. 北はキメラ(El Norte es una quimera)
6. 聖なる褐色の花(Bendita la flor morena)
7. ロス・グリフィニャフィトス (Los grifiñafitos)
8. エル・ベナオ(El venao)

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