2017年9月2日、上智大学四谷キャンパスの10号館講堂にてレクチャーコンサートを行いました。本コンサートは、エストゥディアンティーナ駒場(以下EK)の主宰教員である石橋純が開講する集中講義『ラテンアメリカ 音楽と社会』の一環として一般公開イベントとして開催されました。今回は「ラテンリズムのフロンティア ベネズエラの音楽と文化」と題し、EKはゲストとして様々なジャンルのベネズエラ音楽を演奏しました。当日はあいにくの雨でしたが、学生からご年配の方まで幅広い世代から約120名の方々にご来場いただきました。

リャノの歌手としての誇りを歌い上げる Zumba que zumba

まず始めに披露したのは、日本で最も有名であろうベネズエラ音楽「コーヒールンバ(Moliendo café)」です。曲の終盤のモントゥーノ部分では歌手が観客の皆さんに「夏の終わりのひとときの思い出をごいっしょに」と即興的に語りかけるスペイン語詞を披露しました。
続いて、ベネズエラの代表的な音楽ジャンル「ホローポ(joropo)」から「エロルサの祭り(Fiesta en Elorza)」、「スンバ・ケ・スンバ(Zumba que zumba)」を演奏しました。この曲間には3拍子と2拍子が重なっているホローポのリズムを体感していただくホローポ・レクチャーと、ラテンメリカ音楽に特徴的なフリギア旋法とアンダルシア終止のデモ演奏も行われました。会場の皆さんもホローポ独特な「ノリ」を掴んで、手拍子をして楽しんでいるようでした。

ホローポのノリをレクチャー

その後、ベネズエラ風ワルツの「アンデスの三日月(Media luna andina)」、珍しい5拍子が特徴的な「メレンゲ(merengue)」というジャンルから「北はキメラ(El norte es una quimera)」を演奏しました。私はメレンゲに初挑戦だったので、緊張しましたがなんとか最後まで演奏することができてよかったです。
次に、16世紀にスペインで流行した曲と、それに由来していると言われるベネズエラ民謡を続けて演奏した「牛を見張れ~ポロ(Guardame las vacas ~ Polo)」を披露しました。この曲では主宰教員の石橋が歌手を務め、5世紀に渡るラテンアメリカが経験してきた歴史に思いを馳せながら歌い上げました。
最後の曲として、カーニバルソング「カリプソ」から「グアヤナ・エス(Guayana es)」を演奏しました。演奏前に、会場のみなさんと一緒にコーラス練習をしたことで会場全体が盛り上がった演奏となりました。
その後、アンコールをいただき大勢で大合唱をする「ゴルペ・ラレンセ」というジャンルから「アマリア・ロサ(Amalia Rosa)」を披露しました。曲の中盤では、会場にいらっしゃったベネズエラ人の女性が舞台上に上がって、私たちと一緒に熱唱してくださるなど、講堂全体が楽しげな雰囲気に包まれ、コンサートは終了しました。

私はこのようなレクチャーコンサートに出演するのは初めてで緊張もありましたが、会場のみなさんの温かい雰囲気の中で楽しみながら演奏できたと思います。
主催の労をおとりいただいた上智大学外国語学部イスパニア語学科の幡谷則子先生、コーディネーターの吉川恵美子先生、イスパニア語学科事務室の冨田様に大変お世話になりました。本当にありがとうございました。

上智大学の幡谷先生・吉川先生と

キャスト一覧
平澤 樹乃:アルパ ギター
小川 雅貴:歌 パーカッション
韓 智仁:ベース
内川友里:歌
山本卓登:バイオリン クアトロ ブンバック ベース
永田裕也:マラカス パーカッション クアトロ
岡根朝樹:クアトロ バンドーラ ブンバック
立花 美幸:クアトロ マンドリン バンドーラ
石橋 純:講義 歌

(文:永田裕也)

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