ラテンリズムのフロンティア ベネズエラの音楽と文化

2017年9月2日、上智大学四谷キャンパスの10号館講堂にてレクチャーコンサートを行いました。本コンサートは、エストゥディアンティーナ駒場(以下EK)の主宰教員である石橋純が開講する集中講義『ラテンアメリカ 音楽と社会』の一環として一般公開イベントとして開催されました。今回は「ラテンリズムのフロンティア ベネズエラの音楽と文化」と題し、EKはゲストとして様々なジャンルのベネズエラ音楽を演奏しました。当日はあいにくの雨でしたが、学生からご年配の方まで幅広い世代から約120名の方々にご来場いただきました。

リャノの歌手としての誇りを歌い上げる Zumba que zumba
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Un parrandón para Maurice

8月22日は蒸し暑い日になりそうだった。いつもの半袖シャツに手を伸ばしかけてから、ふと思い立ち、真っ白い長袖のシャツを手に取った。粋な男を送り出す宴には、それがよりふさわしいと思ったからだ。

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ラ米ゼミの9回目となる成果発表コンサートが大成功に終わった翌々日、駐日ベネズエラ大使館文化担当官であり、ラ米ゼミ立ち上げ時からのコーチであるモリス・レイナに突然の帰任辞令が下った。あまりにも唐突なその知らせに、私たちは途方に暮れるほかなかった。

モリスは、日本におけるベネズエラ音楽の普及と発展に誰よりも尽くした男だ。石橋純が立ち上げたラ米ゼミにコーチとして9年間関わり、これまで送り出した修了生は200名近くに及ぶ。私は第一期生として教えを受けたが、それからずっと、彼は私にとって偉大なる師であり、粋な男であり、「しょうもない」オヤジであり、尊敬できる友人であった。

彼は一流の演奏家だった。独自のチューニングによるクアトロ独奏のパイオニアである父フレディ・レイナの流儀を引き継ぎ、ラ米ゼミやEKのコンサートの度にその演奏を聴かせてくれた。彼自身の演奏は高い技術に裏打ちされたものであったが、「音楽は技術ではなく、心で奏でるものだ」と語るその精神は、彼に教えを受けた者なら誰もが引き継いだことだろう。

第 9回成果コンでクアトロ独奏を披露するモリス(撮影:漢那朝子)
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2017年新入り歓迎&強化夏合宿

今年新たにEKの一員となった3人による、2017年新入り歓迎&強化夏合宿についてのレポートです。

充実の3日間

8月10日から12日まで、御岳山の山頂付近にある宿坊「山楽荘」にて合宿が行われ、今年度にゼミを修了した9期生7人を含む21人が参加しました。濃い霧が立ち込める中、ベネズエラ音楽にどっぷり浸かる非日常的な3日間を過ごしました。

私たち9期生は、ゼミで練習したホローポやカリプソに加えて、クリスマスの時期に演奏されるアギナルドやガイタに初挑戦しました。また、タンボーラ、フーロ、ブンバック、チャラスカ、マラカスなど、それぞれ自分がゼミで演奏しなかった打楽器に多くの9期生が取り組みました。自分がやってみたい楽器にどんどん挑戦でき、石橋先生や先輩方がそれをサポートしてくれるのがこの合宿の特徴の一つです。2日目夜の発表会に向けて密度の濃い練習を行い、新しい楽器の習得と、クアトロなど以前から練習していた楽器の上達を目指しました。

タンボーラを教わる9期生

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音のカリビアンクルーズ Recorriendo Venezuela

 2017年8月5日土曜日、東京大学駒場キャンパス18号館ホールにて、全学体験ゼミナール「ラテンアメリカ音楽演奏入門II」のゼミ生によるコンサート「音のカリビアンクルーズ Recorriendo Venezuela」が行なわれました。このコンサートは演奏から制作までゼミ生が作り上げてきた成果発表の場です。ベネズエラに寄港するカリブ周遊のクルーズシップに会場を見立て、定員200人を超える方々にセンセーショナルなバカンスのひとときをお楽しみいただきました。

キャスト/スタッフの集合写真。みなさん素敵な笑顔です!
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シマロンワークショップ報告

 2017年7月8日(土)、ワールドツアー中のコロンビア人グループ「シマロン Cimarrón」を招き、都内スタジオでワークショップを行いました。彼らが演奏するのは、ベネズエラとコロンビアに広がる平原地帯ジャノの代表的音楽である、ホローポです。私たちは伝統的なスタイルでホローポを演奏していますが、シマロンは、より現代的なアレンジで演奏します。
 課題曲として選んだのは彼らの代名詞「キタペサーレス Quitapesares」、私たちとの共通レパートリー「スンバ・ケ・スンバ Zumba que zumba」の2曲です。ここでは、伴奏陣の息をピッタリと合わせることの重要性という根幹にかかわる部分の教えを賜り、曲のイントロやアウトロなどの細かい部分の指導まで受けることができました。彼らのリーダーであるカルロス・ロハスが、曲を始める際の掛け声の心構えについて熱く語る姿は特に印象的でした。

シマロンのリーダー、カルロス・ロハス
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